エピソード募集の特別賞の作品を公開させていただきます。
絵本のような軽やかなトーンが素敵な見尾さんの文章。ええな~嬉しいな~♪と読み進めると後半で思いがけない出来事が…。
大切な「直ちゃん」とのつながりが善積りんごから生まれていること、心から感謝します。
「美味しいりんごをおくったから食べてみて。」
長野に住む直ちゃんからメールが来ました。それからほどなくして
りんごが届きました。種類は忘れてしまったけれど、真っ赤な、
ツヤツヤしたりんご。食べてみてびっくり!甘酸っぱくて、
シャキシャキしていて、とっても美味しい!今まで食べたリンゴの
中で一番と言ってもいいくらいでした。
これが、善積農園のりんごとの出会いでした。今から10年ほど前
になるでしょうか。
早速、直ちゃんに感想を話したら、善積農園のことを教えてくれま
した。園主の純子さんはりんごが好きで、京都から単身、長野にり
んご作りに来たこと、お一人で頑張っていたこと等。直ちゃんも故
郷の千葉を離れて愛犬の銀ちゃんと頑張っていたので、
何か共感することがあったのかもしれません。
善積農園のりんごのファンになった私は、毎日りんごを食べている
職場の同僚にもお裾分けをしました。
「何、このりんご?!いつも食べているのと全然違うよ。すごくお
いしい!どこのりんごなの?」
すごく嬉しくなって、善積農園のことを話しました。多分、ドヤ顔
で。
次の年からは、自分で予約することにしましたが、売り切れで購入
できないこともありました。人気の高さにびっくりでした。
どういう所だろうと、住所を頼りに、尋ねて行った事もあります。
お留守でお会いできませんでしたが。
善積農園から届くりんごは、毎年秋の楽しみです、箱を開けると、
籾殻の中からちょこんと顔を出しているりんご達。
「私達は、大切に育てられたんだよ。」
という言葉を話しかけてくれているようです。リンゴ畑だよりも、
温く、楽しいです。
最近は、生で食べるだけではなく、バター煮にしたり、ジャムにし
たりして、長く楽しむことができるようになりました。
実は、このりんごを教えてくれた直ちゃんが病気で亡くなりました
。とても悲しくてその年と次の年辺りは。私もりんごを購入するこ
とができませんでした。今はまた、時間が経ち、
購入することができるようになってきましたが。
今、もし直ちゃんがいたら、お料理上手な直ちゃんのこと、りんご
を使ったお料理やお菓子などをたくさん教えてもらえただろうなと
思うと、残念でなりません。
これからも、直ちゃんを思い出しながら、毎年リンゴをお願いした
いと思っています。
直ちゃん、今年も美味しく、善積農園さんのリンゴが食べられたよ
。