エピソード募集の特別賞の作品を公開させていただきます。
米田さん、食を大切に、好奇心もたっぷりに暮らしていらっしゃる様子が文章からたくさん伝わってきました。
こだわりのラインナップに善積りんごも加えてくださり、とっても光栄です!ありがとうございますー!!
私の実家は北海道の農家。当時は慣行農家だったのですが、自宅用に無農薬野菜を作っていました。母は「子どもに市販品を食わせてなるものか」という考えの持ち主なので、ご飯、おやつを全て手作りしていました。そういう環境で育ち、農業系の大学に進んだ私は、食べ物に異常なこだわりを持つ人間に成長しました。
大学卒業後は北海道で働いていましたが、結婚して関西に引っ越すことに。夫が退職したら北海道に移住する予定なので、関西生活は期間限定です。食習慣の違いなど色々ありましたが、どうにか子育てが落ち着き、時間ができた頃。私は「ココにいる間は、ココでしか出来ない事をしよう」と考え、近隣の神社仏閣巡りをし始めました。歴史が古い関西には、いろんな神社仏閣があり、そこでは伝統的な「お餅」「漬物」「みそ」などの食べ物が作られています。そして、その食べ物は地域性が高く、地元住民の生活に密着しているんですね。そういう地元住民に守られているモノを食べ、生産者から直接お話を伺うのが、楽しみの一つになりました。
ある日、大阪には「道明寺」というお寺がある事を知りました。道成寺って……あの、お姫様が若いイケメン坊さんを焼き殺した寺?と興味が沸き、行ってみたんです。そうしたら、その道成寺は和歌山県にあり、ココではないとの事。大阪の道明寺は境内も狭く、その日はご本尊公開の日でもなかったので、お寺の雰囲気を味わっただけで終わったのですが……
道成寺の近くに「おしゃれなカフェ」と「面白い形のパンを焼くパン屋さん」がありました。どちらも、原材料にこだわっているようです。とっても気になりカフェに入った所、ランチは売り切れ。なので、カフェでいちごジュースを飲み、パン屋さんでパンを買う事にしました。
そのパン屋さん。パンの形も面白いのですが、原材料にもこだわっていました。販売していた「福祉事業所のクッキー」の原材料を見ると、小麦粉(国内製造)、発酵バター、粉糖…… と書いてあるのですが、
「小麦粉は国産で、発酵バターはカルピスの発酵バターなんです。粉糖も、飾り付け以外の砂糖は国産素製糖を使用しています。」
お店の方が、あり得ないほど詳しく説明してくれます。そこに、善積農園の「カナちゃんちのりんごジュース(人参)」が。原材料を見ると
「りんご、にんじん(長野県産)/酸化防止剤(ビタミンC)、酸味料」
お店の方に酸味料の詳細を聞いたところ「知らないので、分かり次第ご連絡しますね~」とのこと。私はジュースを買って飲みながら、詳細を待つことにしました。
これが「わたしと善積農園」の出会いです。
そのジュース。高校生の息子に飲ませた所
「こんなうまいジュースは飲んだことがない」
「我が家の食べ物はレベルが高いが、その中でも群を抜いた旨さ」
という、ぶっちぎりの高評価。これは、りんごも買わないと……と思い、その年の秋にりんごを買わせていただいたのでした。
今年も、早生のりんごが届きました。爽やかな酸味、けれども甘い。大きくて、キレイな果実です。実は、私の実家にもりんごの木がありますが、全く手入れをしないので小さくていびつな実が沢山なっています。ですから、善積農園のりんごにどれほどの手間がかかっているか……
「こういう形にするの、大変だっただろうな」
暑い中、細かな手作業をしてくださる善積農園の方に、ホント頭が下がります。今年の6月には、玄米も送っていただきました。おかげで我が家は、今回の米騒動には一切巻き込まれていません。これも、6月まで米を安全に保管してくださった善積農園さんのお陰です。我が家の子どもがみんな巣立ったら「善積農園に行って、直接お話を伺えたら」と考えております。どうかこれからも、よろしくお願いいたします。