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善積農園の日々を不定期更新しています。

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


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芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

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(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
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登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
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ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

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マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
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2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

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<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
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2015年講談社
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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

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大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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善積農園、物語になる

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実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

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「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

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大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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全力投球中💥

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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

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多くの方に嬉しいお声をいただいています。

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「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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善積農園、物語になる

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実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

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多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

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その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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第一話&原作エッセイも最高なので、
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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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善積農園、物語になる

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

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「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

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2015年講談社
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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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みんながテンションMAXな中
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第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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善積農園、物語になる

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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みんながテンションMAXな中
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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
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ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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善積農園、物語になる

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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みんながテンションMAXな中
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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
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多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

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マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

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多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
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第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

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「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

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大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
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マンガ第二話いよいよ公開!

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登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

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大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
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原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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善積農園、物語になる 第二話!

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登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
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善積農園、物語になる

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実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
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「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

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「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

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みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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みんながテンションMAXな中
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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
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ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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善積農園、物語になる

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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みんながテンションMAXな中
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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
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多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

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マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

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多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
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第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

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「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

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大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
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マンガ第二話いよいよ公開!

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登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

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大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
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原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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善積農園、物語になる 第二話!

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登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
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善積農園、物語になる

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実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
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「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

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「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

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みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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みんながテンションMAXな中
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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
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ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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善積農園、物語になる

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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みんながテンションMAXな中
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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
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多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

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マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

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多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
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第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

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「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

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大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
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マンガ第二話いよいよ公開!

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登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

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大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
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原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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善積農園、物語になる 第二話!

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登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
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善積農園、物語になる

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実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
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「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

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「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

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みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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みんながテンションMAXな中
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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
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ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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善積農園、物語になる

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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みんながテンションMAXな中
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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
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多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

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マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

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多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
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第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
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→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

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「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

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大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
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マンガ第二話いよいよ公開!

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登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

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大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

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(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



続きを読む >>

善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













続きを読む >>

善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

続きを読む >>

<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

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そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
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🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
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第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

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井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

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実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
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ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
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原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

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大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

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(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
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大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

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ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

*******************

続きを読む >>

マンガ第二話いよいよ公開!

2025年09月25日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
→Instagramの投稿ページはこちら

エピソード受賞作一覧もご覧いただけます。素敵な作品をご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
→”>→受賞作一覧はこちら

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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

▼そのほかの受賞作品は、こちらからご覧いただけます!


【 受賞作品一覧ページ 】



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善積農園、漫画【 第三話 】公開です!

2025年12月11日 | お知らせ

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善積農園、物語になる 【 第三話 】!

芸大→バレー部→飲み会三昧の青春🍺
みんながテンションMAXな中
農園主コギーだけ“なぜかちょっと違ってた”あの頃の話です😂

第1・第2話を読んでからだと破壊力倍増🤣
「下記リンク」からぜひ◎

→マンガ「湖で戯れる人」第一話

→マンガ「湖で戯れる人」第二話

(  →原作エッセイ「湖で戯れる人」  )

そして、Instagramコメント欄 で、 ぜひ「好きなコマ」教えてください😊
(1.2話のでもOKです!)



 

マンガ「湖で戯れる人」第三話












 

🙋🏻‍♀️作者紹介 *************

井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社
「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが
善積家のハートをブチ抜いて🥹
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに
全力投球中💥

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マンガ第二話いよいよ公開!

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善積農園、物語になる 第二話!

大変長らくお待たせしました…!

登場人物のコギーは当園の農園主なんです🐻
第一話&原作エッセイも最高なので、
ぜひチェックしてみてくださいね😊

→マンガ「湖で戯れる人」第一話
→原作エッセイ「湖で戯れる人」

🙋🏻‍♀️作者紹介
井田万樹子さん🖊️マンガ家
コギー(園主🐻)の京都芸大時代の同級生。

2015年講談社「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。
25周年企画に応募したエッセイが善積家のハートをブチ抜いて
「マンガ化を❤️‍🔥」というリクエストに全力投球中💥













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善積農園、物語になる

2025年07月17日 | お知らせ

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先日からお伝えしていますエピソード募集。
実は新しい展開がありまして、大賞作品受賞者の井田さんにより、
マンガになりました…!

実は井田さんは園主 湖戯人の京都芸大時代の同級生なのですが
マンガ家でもあり、2015年講談社の「月刊モーニング・ツー」にてデビュー。

応募してくれたエピソード内容が善積家のハートをブチ抜き、
「マンガ化を!」というリクエストに応えてくれました。感謝!!

ぜひマンガ&大賞エピソードを以下よりお楽しみください。

















第一話 完
第二話は9月下旬頃お届けします。

原作となる大賞エピソードも吹き出したり😙ジーンときたり…🥹
多くの方に嬉しいお声をいただいています。

「なんて引き込まれる文章だろう!さすが大賞!」

「素敵なお話やった、、ご主人の彫刻も見たいなと思ってしまった。」

「ユーモアあり感動ありで善積農園familyのことが目に見えるようで。ただただ拍手👏です。井田さんにあってみたい感じです。」

→エピソードはこちら

Instagramではエピソード冒頭の6ページは画像の紙芝居風になっています。
ぜひそちらもスクロールしてお楽しみください。
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<大賞>「湖で戯れる人」井田万樹子さん の エピソード

2025年02月03日 | お知らせ

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大賞作品をご紹介します。井田さん、温かい文章をありがとうございました。大賞おめでとうございます!




大学入学後の春のこと。柔らかな陽光が差し込む教室で、フランス語の授業が始まったばかりだった。先生は突然、教室の後方に座る1人の男子学生に目を留め、声を弾ませた。

「善積湖戯人(よしづみこぎと)さん。あなたのお名前、”湖で戯れる人”というのは、フランスの詩人、△△△からの引用なのでしょう?なんて素敵な響きなのでしょう」

私は思わず身を乗り出した。芸大らしい洗練された名前の持ち主とはどんな人物なのだろう。

きっと、パリの路地裏で見かけるような、スカーフを首に巻いた芸術家然とした男性に違いない—。期待に胸を膨らませ、その学生の方を振り返った瞬間、私の想像は木っ端微塵に砕け散った。そこにいたのは、まるで奥山から降りてきたばかりの熊にメガネをかけさせたような風貌の男子学生。その姿からは、フランス文学の香りなど、微塵も感じられなかった。先生からの質問に対して、彼はボソボソとよくわからない返答をした。

その後、入部したばかりのバレーボール部で、あの「湖で戯れる人」と再び顔を合わせることになった。新入生歓迎会で、先輩たちは彼の名前を見るなり、「コギー」という素っ気ないあだ名を付けた。フランスの詩人の魂を宿した名前は、バレーボールのユニフォームの中に封印され、体育館に響くのは「ナイスレシーブ、コギー!」という掛け声ばかりだった。

芸大のバレー部ではしょっちゅう飲み会があった。そこでは関西人たちの早口のギャグやツッコミが目まぐるしく飛び交い、まるで漫才の舞台のようだった。テンポの良いボケとツッコミが飛び交い、たちまち宴は最高潮に達する。しかし酒が進むと皆が先輩への不満、後輩への愚痴、些細な揉め事が大袈裟に語られ、会話は次第に重たい空気を帯びていく。

そんな中で、コギーだけが異彩を放っていた。彼は酔っても冷静さを失わず、誰かの悪口を言うこともなければ、愚痴をこぼすこともない。ただ純朴な笑顔で周りの話に耳を傾け、穏やかな相槌を打っていた。あの「湖で戯れる人」という優雅な名を持つ彼は、派手な言葉を操るわけでもなく、自分を飾ることもなく、ただ素朴で誠実な人柄で、静かな存在感を放っていたのだ。

ある日、彫刻棟の展示室で私は立ち尽くした。そこにあったのは、まるで生命が宿ったかのような巨大な造形物だった。薄く叩き延ばされた鉄の板が幾重にも重なり、光を受けて繊細な陰影を生み出している。

その作品の作者は、コギーだった。あの野生のクマのような男が、蝶の羽のように繊細な金属板を幾枚も重ね、まるで呼吸をしているかのような、金属とは思えないほど軽やかで温かみのある、生命体を作り上げていたのだ。作品は展示室の天井近くまで優雅に伸び、見る角度によって様々な表情を見せる。バレー部で見せる素朴な笑顔の裏に、こんなに繊細で大胆な感性が隠されていたのか。私は自分を恥じた。湖で戯れる詩人の魂は、静かに彼の中で息づいていたのかもしれない。

四半世紀以上の時を経て、バレー部の同窓会でコギーと再会した。驚いたことに、彼は学生時代とまったく変わっていなかった。学生の頃から老けていたのか?今が若々しいのか?風貌はそのまんまだった。

「長野でリンゴ農園をやってるねん」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は躍った。私はリンゴが大好きで、毎年、様々なリンゴを色々な場所で購入してきたのだ。あの芸術作品を生み出した感性、真摯な人柄、そして作品制作で培った強靭な集中力と体力。コギーが育てるリンゴなら、きっと美味しく、安全で、特別なものに違いない。と思った。

興奮冷めやらぬまま、帰宅後すぐに農園のホームページを開いた。そこで目にしたのは、想像をはるかに超えたワクワクする世界だった。温かみのある写真、素朴な手描きの文字、そして全体を包む優美なデザイン。これは間違いなく、彼の伴侶となった「みねちゃん」の仕事に違いない。コギー、いい人と結婚したなぁとしみじみ思った。

さらに驚くべき事実が明らかになった。このリンゴ農園には、一人の勇敢な女性の物語が秘められていたのだ。今の私と同じ年頃、人生の折り返し地点で、コギーの母は都会での暮らしを捨て、1人、長野の地に移り住んだという。農業の経験もない中で、一から学びながら、リンゴを作り始めた。「湖で戯れる人」という詩的な名を息子に授けたのは、この開拓者の母であろう。そして今、その母が切り開いた道を、コギーと「みねちゃん」が新しい感性で受け継いでいる。私はホームページをじっくりと見つめ、コギーが見つけた幸せを心から嬉しく思った。

その後、善積農園から届いたリンゴは、それはそれは美味しかった。開拓者の夢と次世代の想いを包み込んだリンゴは、宝石のように輝いていた。

ところで、「湖戯人」、この名前の由来が本当にフランスの詩人から来ているのか?私の心に長く残っていた謎だったが、先日、本人に尋ねてみたところ、

「詩人ちゃうで。フランスの哲学者デカルトの”我思う、ゆえに我あり”をラテン語で表したコギト・エルゴ・スムから来てるねん」という驚愕の返答が返ってきた‥。詩人と思っていたのは私の大いなる勘違いで、知的で論理的で真理を追求する哲学だったのだ。あの素朴な笑顔の奥に潜んでいたのは、まさかの哲学者デカルトだったとは‥。でも、日々、雨や日照りに悩み、病害虫と格闘しているコギーの姿は、まさに哲学者そのものかもしれない。きっと彼は今日もりんごの木の下で、ああでもないこうでもないと思索しているに違いない。

<善積農園より>~~~~~~~~~
大学時代の“湖戯人”って、そんなふうに見えてたん!?と笑いつつ、表現力豊かに私たちのことを描いてくださって、心にじーんと残る内容でした。
自分たちの歩みをあらためて見つめ直すきっかけをもらった気がして、この作品に恥じない農園でいたいなぁ…と、しみじみ思っています。

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